ラグビーのトップリーグ(TL)、パナソニックの日本代表SO松田力也(26)が、新型コロナウイルス禍を逆手に取ったチーム力アップに手応えを感じている。

 5季ぶりのTL優勝を目指すチームは、20日のリコーとの開幕戦(秩父宮ラグビー場)で7トライを決めて55―14で快勝。全9本のキックを決めマン・オブ・ザ・マッチに選出された松田は「前半は個人の判断でいってミスが出た部分もあったが、みんなでしっかりコミュニケーションを取って修正でき、後半はかみ合った」と振り返った。

 試合中に素早く修正できたのは、長過ぎたプレシーズンが要因だという。昨年1月に開幕した昨季はコロナ禍により6節で打ち切り。代表活動もなく、TLもこの日まで公式戦がない状態が続いたことで、チーム内のコミュニケーションが深まったわけだ。松田は「個々のキャラクターを把握できたし、しっかりコミュニケーションも取れたのが大きかった。ミスがあってもみんなの気持ちを考えてプレーできた」と説明した。

 パナソニックはプロップの稲垣啓太(30)やWTB福岡堅樹(28)ら2019年W杯日本大会メンバー6人が在籍する。そのため例年は代表活動などで主力不在の期間もあり、連係面などが懸念材料となっていた。しかしコロナ禍以降は、活動自粛明けから全員がチーム練習に専念して成熟度を高めてきた。相互理解を強固にした“タレント軍団”は、ライバルチームにとってより厄介な存在になりそうだ。