ラグビーのトップリーグ(TL)、パナソニックが、医師の道へ進むため今季限りのプレーとなるWTB福岡堅樹(28)に有終の美を飾らせるべく一致団結している。

 昨季は新型コロナウイルスの影響で途中で打ち切りとなり、1年近く公式戦がないまま、ようやく20日に迎えた今季開幕戦(秩父宮)。対戦相手のリコーに前半開始早々にトライを許す展開となったが、すぐさま逆転。終わってみれば、7本のトライを決めるなど55―14と圧勝した。

 今春から順大医学部に進学する福岡にとって今季がラストシーズン。この日も1トライを挙げてまだまだ現役を続けられる存在感を発揮したが、決断に迷いはない。フィフィティーンは、そんなトライゲッターの最後をチームは5季ぶりのTL制覇で送り出すつもりだ。

 日本代表フッカーの坂手淳史主将(27)は「堅樹とは同期で、ずっとパナソニックでラグビーをしてきたし、日本代表でも一緒にプレーした。グラウンド上でも外でも信頼できる選手。堅樹のTL最後のシーズンをいい形で終えたいし、堅樹自身もそう思っていると思う」と語った。

 この試合で「マン・オブ・ザ・マッチ」に選ばれた日本代表SO松田力也(26)は「福岡選手にとってラストシーズンで、TLは(来季からの新リーグ移行で)最後。優勝して送り出したい。SOとして、頼り過ぎず、頼るところは頼りながら、堅樹さんのよさを出せるようにゲームメイクしたい」と意気込んだ。

 パナソニックは、まさに〝オール・フォー・ワン〟の精神で最後のTL王者を目指す。