ラグビーのトップリーグ(TL)・キヤノンの日本代表SO田村優(32)が〝リミッター〟を解除して新シーズン(20日開幕)を戦おうとしている。

 キヤノンは開幕戦(21日、町田・Gスタ)でNTTドコモと対戦。今季からキャプテンに就任した田村は15日のオンライン取材で「まだ(チームの)一貫性はない。爆発力はあると思うが、安定して力を出し続けることが大事になる。これは場数を踏んでいくしかないし、練習から一貫性をつくっていくことも必要」とチームの現状を語った。

 昨年6月に沢木敬介監督(45)が就任し、所属チームのプレースタイルを変更。「キヤノンでもパフォーマンスを出せるようになっている。今まではチームの技術レベルに合わせて自分の持っているものを出せずいた。(以前の指導者に)合わせてほしいと伝えられていたが、持っているものを出してのびのびできている」と、うなずいた。

 かねて日本代表の圧倒的なパフォーマンスに比べると所属チームではどうしても見劣りすると指摘されていたが、それはもう過去の話になる。この日のオンライン取材で沢木監督は「低いレベルに合わせる必要はないと言っている。(他の選手を)上のレベルに引き上げてもらいたい。それを望んでキャプテンにした」と説明した。

〝孤高の天才〟だった男が、キャプテン就任でチームを引っ張る力も発揮中。本人はこの日も日本代表について「先のことは何も考えていない。まずは今週の試合にフォーカスしたい」と明言を避けたが、2023年W杯フランス大会を見据えてもプラス材料になりそうだ。