大学ラグビー界の名将で元日本代表WTB大畑大介氏(45)や日本代表SH田中史朗(35=キヤノン)らを育てた京都産業大の大西健元監督(70)が今季限りでの引退を表明したラグビー元日本代表FB五郎丸歩(34=ヤマハ発動機)の印象を語った。

 五郎丸が早稲田大に在学中の大学選手権の準決勝(2007年1月2日)で対戦。当時の印象について、大西元監督は「そんなにキレのある選手ではないように感じていたが、ゲームをするとやっぱり、そのラグビー勘というかセンスが抜群だった」と振り返る。実際に、京都産業大は五郎丸の前に大苦戦。12―55で完敗を喫し「彼でだいぶ止められた部分があった」と苦笑いを浮かべた。

 想像を超えるプレーを目の当たりにし「(日本の)トップにいけるんじゃないかな」と舌を巻いたほど。その後、2015年W杯イングランド大会ではベストフィフティーンに選出されるなど、大活躍。ラグビーブームの火つけ役になった。

「あんなに国民的な人気を博したのは、彼が初めて。みんなの印象に残るプレー、みんなの心に残る選手が今まではいなかったから、それはすごい」と賛辞を送った。

 今では日本でもラグビー人気が高いが、それは五郎丸の功績があったからこそ。最後には「彼なしではここまでラグビーが盛んになることはなかった」と感謝の言葉を口にした。