昨年のラグビーW杯で8強入りした日本代表のWTBレメキ・ロマノラバ(31)が7年間在籍したトップリーグ(TL)のホンダを退団した。突然の発表は7人制で出場を目指す東京五輪とも無関係ではなかった。

 チーム関係者は「契約満了による円満な退団」としたが、レメキに近い関係者は「本人が7人制へのフレキシブルな参戦を求めていたことも関係している」という。昨年のW杯期間中から「TLの来シーズンは半分くらい出て、その後はすぐに7人制に行く」と語っていたように五輪出場を熱望してきたが、ホンダ内で話し合いの結果、7人制参加を見送り、今季はTLにフル参戦の方針だった。

 レメキは15人制と7人制の“二刀流”を極めようとしている(本紙既報)だけに、ホンダに在籍したままなら1年延期となった五輪でも同じ問題が付きまとう。来季TLは2021年1月開幕を想定しており、チームとしては人気者にシーズンを完走してもらおうとする一方、レメキ側は来年の7人制専念やTLの限定参戦を求めることになるからだ。

 退団を決めたレメキはチームを通じ「こんな結末(新型コロナウイルス感染拡大で今季はTLが中止)で今シーズンの幕を閉じることになり、残念で仕方ない」とコメント。その上で「試合会場でまたお会いできることを楽しみにしています」と国内移籍を示唆したが、果たして理想のチームで再スタートできるか。