2023年ラグビーW杯フランス大会で4強入りを目指す日本代表の強化が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で厳しい状況に陥っている。

 昨秋のW杯で史上初の8強入りを果たし、世界に認められる存在になったことで、今年はテストマッチ期間(主に6月と11月)にティア1(強豪10チームの総称)との対戦決定はスムーズに進んだ。しかし状況は一変しそうだ。英紙「デーリーメール」によると、日本代表が予定するイングランド戦(7月2試合)が中止の見込みという。同紙では言及されていないが、6月のウェ―ルズ戦(エコパ)も厳しい見通しで、このままでは欧州に遠征してスコットランド、アイルランドと対戦する11月の試合も微妙と言わざるを得ない。

 強豪との対戦が実現しないまま20年を終えるのは代表強化の大きなマイナスだ。しかもW杯で1度だけベスト8入りしたことのあるティア2国である日本が、階級意識の高いラグビー界において存在感を維持できるか不透明。21年も同じようなマッチメークができる保証はどこにもない。

 仮に対戦が実現したとしても喜んでばかりはいられない。フランカーのリーチ・マイケル主将(31=東芝)は、海外メディアに対し「今年のティア1との試合に負ければ、ティア2との対戦に戻ってしまう。ティア1と続けて対戦することを思うと我々には多くのプレッシャーがある」と危機感をあらわにした。

 いずれにしても前途多難。日本代表はこの試練を乗り越えられるか。