東京五輪に臨む7人制ラグビー男子日本代表が、新型コロナウイルス感染拡大による大会延期で劇的な変化を遂げる可能性が出てきた。

 本番は来夏への延期が決定。今後の強化スケジュールは再編を余儀なくされたが、決してデメリットだけではない。その一つが昨年の15人制W杯で初のベスト8進出と大活躍した日の丸戦士の参戦だ。今夏の開催ではトップリーグ(TL)と7人制の強化日程が重なるため、両立は不可能だったが、2021年シーズンは秋に開幕予定。すでに今季のTLが打ち切りとなっており、その気になれば、すぐにでも7人制に転向可能だ。

 あるTL関係者は「(チーム事情で7人制を断念した)レメキ(ロマノラバ=31、ホンダ)の再挑戦も可能だし、本人の意向次第だけど、ラファエレ(ティモシー=28、神戸製鋼)も適性は十分」と指摘する。医学の道に進むため、今夏予定だった東京五輪後の現役引退を表明していた福岡堅樹(27=パナソニック)の去就は未定だが、日本協会内には延期後の五輪出場を要請する動きもあり、本人が来夏までのプレーを選択する余地は残されている。

 また昨年の15人制のW杯日本大会のように国籍主義を採用しない国際大会で、7人制日本代表経験のあるフィジー出身のジョセファ・リリダム(30=NTTドコモ)ら来夏までに日本国籍を取得する見込みのある外国籍選手も複数人おり、さらに7人制代表の選手層に厚みを持たせることが可能となる。

 期せずして訪れた延期は4位に終わった16年リオ五輪のリベンジを後押ししそうだ。