【ラグビー】松島のフランスリーグ移籍で“負の歴史”を清算できるか

2020年01月29日 16時40分

松島はフランスで成功を収め、“負の歴史”を清算する

 日本ラグビーの“負の歴史”を清算する。今季トップリーグ(TL)終了後にフランス1部クレルモンへの移籍が決まった日本代表の松島幸太朗(26=サントリー)が注目を集めている。これまで世界最強リーグと言われるフランスで成功した日本人選手がいないため大きな期待をかけられており、2023年W杯フランス大会で日本代表の4強入りに向けても可能性を膨らませる海外進出となった。

 昨年のW杯日本大会でチーム最多の5トライを決めて初の8強入りに貢献した松島が、かねて意欲を見せてきた欧州挑戦をついに実現させた。2022年6月までの2年契約で過去2度のリーグ優勝を誇る名門クラブへと活躍の場を移す。

 移籍を発表した所属のサントリーを通じて「23年W杯フランス大会に向け、さらに成長するため『高いレベル、そして強いクラブでやりたい』という気持ちと『自分が求められているところにいきたい』という思いがあった。歴史ある素晴らしいクラブで少しでもよい影響を与えたい」とコメントした。

 世界最強と言われるフランスリーグでもまれることで、さらなる成長につながりそうだが、それは定位置をつかんでこそだ。16年に同1部トゥーロンへ移籍した元日本代表FB五郎丸歩(33=ヤマハ発動機)は期待されながらも、ほぼ出番がないまま日本に復帰するなど、フランスリーグで活躍した日本人選手は過去にいない。

 そんななか、欧州事情に詳しいTL関係者は「五郎丸選手は(15年)W杯(イングランド大会)の活躍がトゥーロン上層部の目に留まって移籍したと聞いているが、その力を発揮できなかった。松島選手ならばレギュラーでプレーできる力はある。これまで日本人選手がフランスリーグで活躍できなかった流れを変えてほしい」と力説した。

 フランスリーグでポジションを確立した先には、欧州での日本人選手の地位向上も期待できる。一人でも多くの代表候補が、欧州へ挑める可能性が広がれば、W杯フランス大会では4強入りへ前進するのは間違いない。松島の挑戦は、個人のレベルアップだけにとどまらないメリットを秘めているのだ。

 日本ラグビー界に明るい未来をもたらしそうな移籍は、一方で参戦を求められていた7人制での東京五輪出場の消滅を意味する。松島本人がその気になれば、メダル獲得の切り札となり得る逸材だったが、今後は新たな舞台で日本ラグビー界をけん引していく。