今度はラグビー部だ。東京・渋谷区の路上で大麻を所持していたとして、警視庁原宿署は20日までに、日大ラグビー部員の樋口弘晃容疑者(21)を大麻取締法違反容疑で逮捕した。

 18日夜、渋谷区の路上で不審な挙動をする樋口容疑者に警察官が気付き、職務質問。所持品から大麻が見つかり、翌19日に現行犯逮捕した。職務質問した場所については非公表だが、内偵していたわけではなく、通常逮捕だった。調べに同容疑者は「自分で使うために持っていた」と供述。部員の逮捕を受け、日大ラグビー部はこの日、公式ホームページで活動の無期限停止を発表した。

 日大ラグビー部は1928年に創部。関東リーグ戦を3度優勝した古豪で、2019年はリーグ戦1部で2位。同年12月の全国大学選手権では8強進出を果たした。今後は警察の捜査に協力しながら、内部調査を進める方針で「当該部員に対しては、厳正に対処します」とコメントしている。

 樋口容疑者は3年生。157センチ、67キロと小柄でポジションはSH(スクラムハーフ)。全国高校大会(花園)に8度出場した熊本・荒尾の岱志(たいし)高校出身で、主将を務めた。日大関係者によると「日大ラグビー部では試合には出ていたが、レギュラーではなかった」という。

 日大といえば、一昨年5月にアメリカンフットボール部の“悪質タックル問題”で世間を騒がせたばかり。同校OBからは「今度はラグビー部か…」と落胆の声も聞こえてくる。

 原宿署はこの日午前、東京都稲城市のラグビー部の寮を家宅捜索。大麻の入手経路などを詳しく調べているが、警察関係者は「寮内で大麻が蔓延していた可能性も排除せずに捜査を進めている」と明かす。

 空前のラグビーブームに水を差す事件となってしまった――。