ラグビー日本代表フランカーのリーチ・マイケル(31=東芝)が、海外リーグ封印で2023年フランスW杯に臨む。

 昨年のW杯で日本を8強へと導いた主将は、トップリーグ(TL)開幕戦(12日、秩父宮)でサントリーに26―19で勝利し「まずは優勝に向けていいプレーをしたい。代表へはもう一回、ゼロからのスタートでアピールしたい」。過去の実績だけで再び日の丸を背負えるとは考えていないからこその言葉だった。

 ただ代表入りへの手段は、かつてと異なる。東海大から11年に東芝入りした後、スーパーラグビー(SR)のチーフス(ニュージーランド)で世界レベルの研さんを積み、日本をけん引する選手に成長した。しかし、31歳とベテランの域に差しかかった今、TLとともに消耗の激しいSRでプレーするのは得策ではないと判断。「自分のプレースタイルに合うところでないといけない。SRでハードなシーズンを過ごすよりプレーしやすいのは日本」と説明した。

 そう考えるのはTLに世界的な名選手が増加したこととも無関係ではない。リーチは「SRを経験して海外のラグビーを見てもTLのレベルは上がっている。TLでも自分のレベルは上げていける」と力説。実際、W杯で優勝した南アフリカ代表フッカーのマルコム・マークス(25=NTTコミュニケーションズ)やニュージーランド代表ナンバー8、キアラン・リード(34=トヨタ自動車)らがTLに参戦し、クオリティーも上昇中だ。

 W杯で大活躍したサントリーのFB松島幸太朗(26)はフランスなど欧州リーグ移籍でさらなる成長を目指していきたい意向を語る一方、百戦錬磨の代表主将は、自身の“羅針盤”を信じて23年W杯メンバー入りという目標へと突き進む。