11季ぶり大学ラグビー日本一・早大“仏W杯をジャッカル” 下馬評覆し明大に45―35

2020年01月12日 16時30分

明大を粉砕した早大フィフティーン

 ラグビーの名門、早稲田大がもう一つの覇権を目指している。新たな国立競技場で初めてのラグビーの試合となった全国大学選手権決勝(11日)で、下馬評を覆して明治大に45―35で勝利。11季ぶり16度目となる優勝で来季は2連覇が目標となるなか、2023年W杯フランス大会では日本代表に母校出身者を大量に送り込むことを狙っている。FB山中亮平(31=神戸製鋼)だけだった昨年のW杯日本大会から巻き返して“名門復権”とする構えだ。

 詰めかけた大観衆5万7345人の前で早大が躍動した。23季ぶりとなる大学ラグビー界の“黄金カード”の決勝で宿敵・明大をねじ伏せた。後半に激しい追い上げにあったものの、昨年12月1日に対抗戦で7―36と完敗したリベンジも達成。4年のSH斎藤直人主将(22)は「明治に大敗してから、チーム全員で生まれ変わろうと臨んだ今日の決勝。勝ててよかった。どちらが勝ちたい気持ちを持つかが大事だと思っていた」と胸を張った。

 昨季の明大、9連覇(2009~17年度)の帝京大に阻まれていた頂点にようやく返り咲いた。もちろん1度のみならず、来季以降どこまで連覇を伸ばせるかが早大としての大目標になってくるが、一方で選手たちはさらなる上を目指しており、日本代表入りへのモチベーションは高い。

 スーパーラグビーの日本チームであるサンウルブズ入りを果たすなど最も桜ジャージーに近い斎藤主将は「もっと成長して次のW杯を狙っていきたい」。そのほか3年のナンバー8丸尾崇真(21)、4年のSO岸岡智樹(22)、4年のCTB中野将伍(22)、2年のFB河瀬諒介(20)らも主将と異口同音だ。

 その思いを強くさせるのは、早大出身のW杯日本大会日本代表メンバーが山中のみだったことも関係している。フッカーの堀江翔太(33=パナソニック)ら帝京大勢の7人と比べると寂しい限り。南アフリカから大金星を挙げた15年W杯イングランド大会ではFB五郎丸歩(33=ヤマハ発動機)、プロップの畠山健介(34)、FB藤田慶和(26=パナソニック)の3人が中心選手として入っていただけに、確かに物足りない。

 ある選手は本紙に「次のW杯に向けても、もっと早稲田出身の代表選手を増やしていきたい」と話し熱望。斎藤はその実現に向けて「後輩に伝えられることがあれば、伝えていきたい」と今後も後輩たちにアドバイスを送っていくという。日本代表へいかに多くの選手を送り込めるかが、名門復権のバロメーターになるということだろう。

 実際、今大会の優勝でチーム全体が達成感に包まれては意味がない。帝京大の岩出雅之監督(61)はかねて「大学選手権優勝というゴールがかなったとしても、卒業後も次がある。大学での成功で満足するなと伝えてきた」と話すように、卒業後もモチベーションを保てるような指導を徹底したことがW杯日本大会に7選手を送り込む要因の一つとなった。

 来季以降の成績や斎藤ら卒業後もプレーを続ける4年生が日本代表に食い込んでいけるかで、名門の真価が問われる。23年W杯でジャパンは日本大会のベスト8を超えるベスト4入りが期待される。斎藤ら早大勢が中心となって、自国開催W杯のような熱狂を生み出すことができるか。

【過去9回のW杯で同志社が最多】計9回のW杯の日本代表を出身大学別(現役を含む)にみると、故平尾誠二さんらを輩出した同志社大が24人で最も多い。それに次ぐのが早大の20人。以下、明大の19人、法政大と関東学院大がともに15人、帝京大と大東大が同13人で続いている。早大は2007年フランス大会から15年イングランド大会までの各大会で、4人、3人、3人といずれも1位タイの多さだった。