ラグビー日本代表FB松島幸太朗(26=サントリー)が“戦闘モード”に突入している。東芝と激突するトップリーグ(TL)開幕戦(12日、秩父宮)に向けて、昨年のW杯日本大会で日本の8強入りに大きく貢献したスピードスターは、2季ぶりのV奪回に意欲満々。ライバルチームの要となる日本代表主将でフランカーのリーチ・マイケル(31=東芝)封じを誓った。
W杯の初戦ロシア戦で日本人初となるハットトリックをマークするなど、トライゲッターとして初のベスト8入りに貢献した松島は、オフを挟んで昨年12月からチーム練習へ参加。今季から指揮を執るミルトン・ヘイグ監督(55=前ジョージアヘッドコーチ)のもと進めてきたチームづくりに手応えを感じている。
「チームは(練習)試合もしっかり勝ち切れているので、いい方向に向かっている。個人的には体もいい状態。あとはもうちょっとチームの戦術に合わせていきたい」
順調に調整を進めるなか、開幕戦の相手は同じ東京・府中市に本拠地を構える東芝。毎年のようにライバル意識をむき出しにした激戦を繰り広げており、松島も気合十分だ。W杯でともに戦ったリーチとフランカーの徳永祥尭(27)は敵になるが「どういったところが強みなのか弱みなのかはわかっている。リーチは(調整遅れで開幕戦に)出るかわからないけど、キープレーヤーには積極的にプレッシャーをかけていくのは当たり前」と不敵な笑みを浮かべた。
もちろんW杯組だけを抑えて勝てる相手ではない。「(東芝は)セットプレーが得意なチームなのでそこにプレッシャーかけて、相手のやりたいことをやらせないようにしたい。相手はフィジカルが強いチームだけど、僕たちもそこは取り組んでいる。フィジカルでも負けずに自分たちからもどんどん仕掛けていきたい」と真っ向勝負で勝利を勝ち取る。
TL開幕へ向けた意欲も異業種交流で充実している。松島は「いろいろな人に会えるのは新鮮だし、他の競技の人と食事に行って、いろいろ話をして個人的にプラスになっている」。中でも同じ1993年生まれのアスリートでボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級統一王者・井上尚弥(26=大橋)やバスケットボール日本代表の富樫勇樹(26=千葉)とは親交が深い。またテレビ番組の収録で共演したサッカー元日本代表MF中村俊輔(41=横浜FC)にも刺激を受けて、プレーの幅が広がったという。W杯から心機一転。快足バックスはTLでも力強くチームをけん引する。