来夏の東京五輪に臨む7人制ラグビー日本代表が、メダル獲得に向けて15人制のW杯で予行演習を行っていた。

 7人制の国際大会が国内で開催されることがほぼないため、同代表は主に世界各地を転戦して強化に励んでいる。その結果、ホームで大声援が予想される東京五輪のような雰囲気を知らない選手ばかり。7人制日本代表の岩渕健輔ヘッドコーチ(43)は選手らに会場のムードを味わわせるため、W杯準々決勝日本―南アフリカ戦(10月20日、味スタ)をスタンド観戦させた。「(味スタは)五輪と同じ会場。選手たちと観戦し、前向きないい刺激をもらった」

 もちろん、雰囲気を体感するだけが目的ではない。選手らに自覚を植えつける狙いもあった。

 指揮官は「W杯でベスト8入りし、いい形でバトンをもらった。よりいい結果を出さないと、このいい流れは断ち切れてしまうので、より危機感と責任を感じてみんなで取り組んでいる。そのためにメダルを取るんだという強い気持ちでやっている」と力を込めた。

 7人制代表の合谷和弘(26=クボタ)も「すごくいい刺激をもらった」とW杯生観戦の効果を実感。東京五輪は勝ち進めば勝ち進むほど、期待と声援が大きくなるのは間違いないが、そんな雰囲気への準備も抜かりはない。