【ラグビーW杯】流が8強秘話告白 ジョセフHCと合宿中に口答えの衝突も

2019年11月02日 11時00分

華麗なパスで日本の8強入りに貢献した流

 ラグビー日本代表の司令塔が激闘の舞台裏を明かした。国民を大熱狂させ、初の8強入りに大きな貢献を果たしたSH流大(27=サントリー)が31日、都内で取材に応じ、今大会前にジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC=49)と衝突し、不穏なムードが広がっていたことを衝撃告白。さらにはネット上で話題の人気芸人との“合体”に言及するなど、秘話を大公開した。

 ――激闘を終えた

 流:(解散後の)2日間は、何もせずにボーッとしていた。お世話になった人へあいさつに行ったり、テレビも1度しか出演していないので、ゆっくりという感じ。(W杯)期間中は連絡を返せずに無視する形になってしまったけど全員に(メールなどで)返信し、お礼も言えたので良かった。数百人はいたかな。

 ――初の8強入り。周囲の変化を感じるか

 流:正直変わったと思う。1年ぶりくらいに家でピザを頼んだら、宅配の方に「感動ありがとうございました!」と言われて…。こんなこと考えられなかったので、またピザを注文することがあれば、寝ぐせも直さないと(笑い)。

 ――ターニングポイントになった出来事

 流:いろんなことがあったので難しい。(6~7月の)宮崎合宿で(フランカー)リーチ(マイケル=31、東芝)さんが復帰してきたころ、ジェイミー(ジョセフHC)からリーダー陣に「お前らはリーチに頼りすぎだ。全然リーダーシップが取れていない」と言われたことがあった。僕はムカついて「あなたたちが見ていないところでやっているし、見ているところだけで評価されるのは納得できませんよ」と我慢できずに言い返してしまったことがあった。

 ――「ONE TEAM」への道のりは険しかった

 流:衝突は何回もあった。でも、そういうのを重ねて最後はみんながジェイミーやスタッフのことを信頼したし、首脳陣のプランを遂行し『今まで積み重ねてきたことを出せば勝てる』との自信に変わっていった。今でも選手とコーチが近づいたわけではないし、近すぎるのはダメだけど、お互いの意見を受け入れるのは必要ということ。

 ――今大会でレガシー(遺産)を残せたか

 流:勝てない相手なんていないということは残せたかな。それは子供たちに向けたメッセージになったのでは。強い相手に対し、チームの力があれば、何でもできると伝えられたと思う。

 ――ラグビー人気や注目度も高まった

 流:サッカー界や野球界と競技人口や人気、観客数を比べられることがある。すごく大事で必要なことだけど、ラグビーにはラグビーにしかない良さと文化、人がいるので、そこは発信してラグビーならではの文化を知ってもらいたい。

 ――これからの活動も大事になる

 流:この人気を持続するには、グラウンド外(普及活動)もやっていかないといけない。でも僕はラグビー選手。そこを忘れてはいけない。自分のプレーと所属チーム(サントリー)の貢献を第一に考えたい。そのバランスは難しいけど、プレーに影響が出るようではダメなので。

 ――ところで、人気お笑いコンビ「ナイツ」の塙宣之(41)に激似と話題になっている

 流:テレビ番組で共演することはないと思うけど、今度(ナイツの)ラジオ番組に出させてもらう予定なので、そこで面白おかしくしてこようかなと(笑い)。漫才のネタに(ラグビーや自分のことを)入れてもらえたらありがたい。

 ――今後も代表の中心選手として期待される

 流:4年後(2023年フランス大会)も目指していきたい。初のW杯だったけど(SO田村)優(30=キヤノン)さんとかリーチさん、フミ(SH田中史朗=34、キヤノン)さんが落ち着きを与えてくれた。僕も(現在)27歳で中堅。どんどん若い選手が出てくるし、今回の経験を次世代にちょっとずつ伝えていけたら。

 ――今後、自身が目指していくものは

 流:ここではまだ言えない。目標というのはチームがあって、監督がいて、選手がいて共有していくもの。ただ、今大会以上というのだけは間違いない。

【2023年フランスW杯次期キャプテン候補】流は今大会1次リーグから準々決勝まで全5試合に先発出場し、日本を初の8強に導いた。166センチと小柄ながら声を張り上げてメンバーを鼓舞。W杯初出場で開幕戦となったロシア戦の試合前は緊張を隠せなかったものの、持ち味の素早いパスや精度の高いキックでゲームを支配した。試合終盤には、その役割を田中へとつなぎ、ダブル司令塔として日本の“勝利の方程式”を担った。

 31歳で迎える2023年W杯フランス大会出場に意欲を示した。次期キャプテン候補の一人で、さらなるリーダーシップが期待される。流は「リーチさんのようにチームに落ち着きを与えられる選手になりたい」と話していた。

☆ながれ・ゆたか 1992年9月4日生まれ。福岡・久留米市出身。9歳からラグビーに取り組み、地元の荒尾高から進んだ帝京大では1年からトップチームでプレーし、主将を務めた4年で大学選手権6連覇に導いた。2015年にサントリーに加入後、16、17年度は主将として2年連続の2冠に貢献し、ベストフィフティーンにも選出された。日本代表初キャップは17年4月22日の韓国戦。166センチ、74キロ。