ラグビー日本代表のWTB福岡堅樹(27=パナソニック)が、W杯日本大会で逆転トライ王へと突き進んでいる。

 9月6日の強化試合南アフリカ戦で右ふくらはぎを負傷して1次リーグ初戦(同20日)こそ欠場したが、同2戦目のアイルランド戦(同28日)の後半途中出場で戦線復帰した。快足を武器に殊勲の逆転トライから量産態勢に入り、スコットランド戦(13日)の2トライなど出場3試合で計4つ。首位タイのWTB松島幸太朗(26=サントリー)に1差の3位につけている。

 福岡は「トライを取れているのは、チームメートが相手を崩してくれて、いい形でボールをつないでくれるから。トライ王にはこだわらないけど、自分の仕事としてもっと取っていければ」。準々決勝南アフリカ戦(20日、味スタ)はもちろん、勝ったその先も“自分の仕事”に徹すれば、好結果がついてくるに違いない。

 トライ以外でも完璧を追求する。9月の対戦ではハイボールの処理にチームとして課題を残したが「(南アが)ハイボールを競ることが多くなると思うが、そこは練習してきた。前回(の南ア戦)は競る前に退場したけど、今回は自分らしいジャンプで競っていけば対応できると思う」と自信をにじませた。

 7人制で出場予定の2020年東京五輪後に医学部を受験するため、今大会を最後に15人制代表から退く。日本が誇るスピードスターは有終の美を飾れるか。