【ラグビーW杯】日本悲願の8強へ!キーマンは“第3の男”

2019年10月08日 11時00分

レメキ(右)はサモア戦でも鋭い突破を見せた

 さあ、最終決戦だ。ラグビーW杯1次リーグA組の日本はベスト8入りをかけた最終戦(13日、日産)でスコットランドと対戦する。5日の第3戦でサモアに38―19と勝利し、3連勝でA組3位以内が確定。2023年フランス大会の出場権も獲得したが、悲願の決勝トーナメント進出を果たせるか。元日本代表の有賀剛氏(35=サントリーBKコーチ)が勝利のポイントを解説するとともに“第3の男”をキーマンに指名した。

 試合終盤にトライを決めてボーナスポイントを獲得できたのは、本当に大きかった。やはり最後まで攻めの姿勢を貫いていたからこそだろう。前回大会で10―45と敗れたスコットランドとの最終戦に勝てば、A組1位で決勝トーナメントに進出する。1点差でもいいから勝ってもらいたい。

 ここまで貴重なトライを含めて4つ決めているマツ(松島幸太朗=26、サントリー)の充実ぶりが目立つ。自分が決めるだけではなく、例えばサモア戦最初のトライ(前半27分)は、リーチ(マイケル=31、東芝)のターンオーバーを起点にマツが突破。チャンスを広げてラファエレ(ティモシー=28、神戸製鋼)につないで生まれた。

 ただ、スコットランドも、日本の得点源となるマツの存在はしっかりとチェックしているだろうし、パスが渡らないように、突破されないように抑えてくるのは間違いない。それでも彼だけに頼らない戦いができるのが今のジャパンの強み。特定の選手をマークしていれば、抑えられるチームではなくなった。

 2トライを決めている(WTBの)福岡(堅樹=27、パナソニック)だけではなく、レメキ(ロマノ・ラバ=30、ホンダ)も十分にトライが取れる。特に第3戦でマン・オブ・ザ・マッチに選出されたレメキは好パフォーマンスを発揮しており、いつ量産態勢に入るかという状態。今大会はノートライながら世界クラスのパワーとスピードを兼ね備える選手だけに、最終戦では大仕事をやってくれそうだ。

 そのトライゲッターにボールをつないで仕事をしてもらうためにも、セットピース(スクラムやラインアウト)が大事になる。スクラムは強豪のアイルランドとも互角以上にやれたように、いまや日本の武器。十分に渡り合える。一方でラインアウトについてはサモア戦を見る限り、もう少し相手への圧力が欲しい。スコットランドはラインアウトからモールでFW勝負を仕掛けてくる。それをしっかり止めるためにプレッシャーをかけること。そこはしっかりと修正、準備するだろう。

 もちろん、ペナルティーに気をつけるのは言うまでもない。サモア戦は反則が10と少し多かったが、修正できる範囲。また、リザーブ陣の働きも重要になる。1次リーグ3連勝はいずれも途中出場で流れを呼び込んだ田中(史朗=34、キヤノン)らの活躍があってこそ。最終戦も前半は我慢の戦いをした上で、勢いのあるリザーブ組がインパクトを与えてくれる。

 ここまではティア1(世界強豪10チーム)勢も、先発15人とベンチの8人を含めた23人のトータル力で戦っている印象が強い。日本も選手層が厚くなっているからこそ、ティア1チームのような戦い方ができるようになってきた。そこは頼もしい限り。ぜひ4連勝で準々決勝に進んでほしい。

【8強の条件】日本はスコットランドに通算1勝10敗、W杯では3戦全敗と相性が悪い。それでもスコットランドがロシア戦(9日、静岡スタジアム)、アイルランドがサモア戦(12日、福岡・レベルファイブスタジアム)でいずれも4トライ以上で勝利して勝ち点5を奪っても、第4戦で引き分け以上なら8強入りが決定する。

 敗れても日本が準々決勝に進出できるケースがある。7点差以内の敗戦、または勝敗に関係なく4トライ以上でそれぞれ獲得できるボーナス点1が突破の鍵を握る。敗れた場合のスコットランドの勝ち点は15または14。4トライ以上を奪われれば、日本は4トライ以上かつ7点差以内の敗戦でボーナス点2を獲得する必要がある。スコットランドが3トライ以下なら日本はボーナス点1を確保すれば勝ち点で上回る。日本が3トライ以下かつ8点差以上で敗れた場合は敗退となる。

 スコットランドが第3戦に勝利を逃すか、アイルランドが12日に勝ち点2以下(負け、または3トライ以下の引き分け)に終われば、日本の進出が決まる。