【ラグビーW杯】高温多湿に拍車をかけるラグビー界の”ポリシー”

2019年10月04日 16時30分

 楕円球の祭典が“湿気問題”で揺れている。開催中のラグビーW杯日本大会では高温多湿の気候に加えて開閉式スタジアムが難点になり、選手を苦しめているのだ。

 昭和電工ドーム大分で行われたニュージーランド―カナダ戦(2日)でも開閉式スタジアムの屋根を閉め切ったため、会場内は湿度80%を超えるサウナ状態に…。3連覇を狙うオールブラックス(ニュージーランド代表)でさえ、湿気や汗で濡れたボールにてこずり、ハンドリングミスを連発した。スティーブ・ハンセン監督(60)が「なぜ何回もボールを落とす場面があったのかといぶかるかもしれないが、湿気が信じられないほどひどかった」と物言いをつけたほどだ。

 では、なぜこうした事態になったのか。W杯では国際統括団体のワールドラグビーが定めた「開閉式の屋根を持つスタジアムを使用する場合は天候に関係なく常に屋根を閉じた状態で試合を行う」というポリシーがあるからだ。前回の2015年イングランド大会でもこの原則は順守されており、その根拠について組織委員会の担当者は「(雨などの影響から)芝のコンディションを守り、出場チームに対し良好な環境を提供するため」と説明する。

 しかし高温多湿の日本では屋根を閉じることが逆にマイナス要素になり、結果として選手のパフォーマンス低下につながってしまった。同担当者は「目の前で起きている一つの課題として認識している。お客さまにより良い試合を提供できるようにしたい」とコメント。現状では問題を解決する具体策はないようだ。

 今後も同会場では準々決勝を含め4試合、同じく開閉式の屋根を持つ兵庫・ノエビアスタジアム神戸でも1試合を予定。選手がベストパフォーマンスを発揮できるよう“湿気問題”をどう改善するのか。世界中のラグビーファンがその動向を注視している。