【ラグビーW杯】日本は油断するな サモア戦で警戒すべきはこの2人

2019年10月01日 16時30分

司令塔ピシの力は侮れない(ロイター)

【ラグビー元日本代表・有賀剛のGO’s EYE】ラグビーW杯1次リーグA組の日本代表と5日の第3戦(豊田)で対戦するサモアは30日、ノエビアスタジアム神戸でスコットランドに0―34で完敗した。精彩を欠いたプレーで土俵際に追い込まれたが、元日本代表の有賀剛氏(35=サントリーBKコーチ)はサモアについて「開き直ったら怖い」と指摘。個々のフィジカルを武器にする難敵相手に日本はどう立ち向かうべきなのか。

 この試合で4トライを奪ってボーナスポイントを手にした世界ランキング9位のスコットランドについては別の機会で解説するとして、今回は世界8位の日本が次戦で激突する15位のサモアに注目した。

 結果的に完敗し、1勝1敗と後がなくなったが、前半は我慢してDFができていた。しかし、アタックでのミスが目立ち、じわじわと点差が開いてしまった。気温が高く、ボールが滑りやすい環境でやりにくさも原因だろう。この試合だけでは情報が少ないが、日本にとってはスコットランドの戦い方がいい見本になったのではないか。

 サモアはフェーズを重ねてトライを取れるチームではない。日本は9月28日のアイルランド戦で見せたように2人がかりでタックルを仕掛ければ個々のフィジカルを持ち味にするサモアの攻撃を封じ込めるはずだ。

 そんなサモアで警戒すべきはチームの司令塔で攻撃の起点になるSOトゥシ・ピシ(37)だ。かつてトップリーグのサントリー、スーパーラグビーのサンウルブズに所属し、日本ラグビーや日本選手の特長をよく知っている。彼にプレッシャーをかけるにはDFラインを上げて対応すべき、そうしないと、一気にピンチを招きかねない。もう1人はFBティム・ナナイウィリアムズ(30)。個人でDFラインをこじ開けて攻撃ができるプレーヤー。自由自在に動いてくるので得意とするランプレーを消すことが求められる。

 セットピース(スクラムやラインアウト)が強くないサモアに、スコットランド戦のようなミスが出れば日本が圧倒的に有利。難しいプレーを仕掛けてくることは想像しにくく、多少なりとも涼しい気候になればアタック力が増すと思われるが、ゲインラインバトル(相手よりも多くの陣地を獲得すること)を制して試合を優位に運びたいところだ。

 それでもサモアが開き直って勢いがつくと、手が付けられなくなる。そこで日本は試合の入り、前半10~20分を大事に戦ってほしい。スクラムやラインアウトからの1次攻撃、2次攻撃でゲインラインを切ってくれればスペースが生まれてチャンスも訪れる。普段通りに戦術を遂行すれば十分に勝機はあるだろう。