【ラグビーW杯】アイルランド戦の勝因と陰の立役者

2019年09月30日 16時30分

チームを支えるラファエレ(左)と中村に期待大

【ラグビー元日本代表・有賀剛のGO’s EYE】ラグビーW杯1次リーグA組の日本は28日の第2戦(静岡)でアイルランドに19―12で逆転勝ちし、2015年W杯イングランド大会の南アフリカ戦に続く大金星を挙げた。元日本代表の有賀剛氏(35=サントリーBKコーチ)は、この歴史的勝利をどう見たのか。また、サモアとの第3戦(10月5日、豊田)に向けて、ここまでヒーローを輝かせた“陰の立役者”に注目した。

 日本代表がアイルランドに勝利。本当にすごいことをやってくれた。格上に「やってやろう」という強い気持ちがプレーに表れていた。ロシア戦(20日)は初戦で硬さもあってか、思うようなアタックができていなかったが、そこは改善されていた。両サイドに生まれたスペースでしっかりゲインできていた。自分たちのアタックの形を出せば強いということを証明してくれた。

 一方のアイルランドは“らしさ”を出せていなかった。セットピース(スクラムやラインアウト)からのアタックで崩していくのかと思っていたが、フィジカルでアドバンテージを取ろうとしてきた。しかし日本に2人がかりのタックルで止められた。強豪に勝つには「85%以上は必要だ」と言っていたタックル成功率も93%という数字だったのは頼もしかった。

 こうなると、次のサモア戦が重要になってくる。フィジカルの強いチームだが、セットピースはアイルランド相手でもやれていたし、重圧をかけられるはず。フィットネスも日本が上だ。アイルランドの足が止まったように、サモアも疲れさせれば勝利は見える。そのために準備など、やるべきことをやるに尽きる。浮かれムードがあったら足をすくわれかねないが、試合後の表情を見ていたらそんな選手はいないと感じた。

 中でも期待しているのは12番(CTB中村亮土=28、サントリー)と13番(CTBラファエレ・ティモシー=28、神戸製鋼)。亮土は持ち味であるDFの部分で体を張ってチームに貢献していたし、ラファについては(攻撃の)起点になっているというか、彼ありきのサインプレーもあったように見えた。当初はあまり注目していなかったが、存在感を増して、ジャパンのアタックに必要不可欠な存在になっている。

 実際、トライを決めたWTB福岡堅樹(27=パナソニック)へのラストパスは彼だし、ロシア戦でもWTB松島幸太朗(26=サントリー)のトライをアシスト。もちろん、全員の力があってこその勝利だが、2人にはこの調子で好パフォーマンスを期待したい。