史上初のベスト8は可能なのか。20日開幕のラグビーW杯に臨む日本代表は、大会前最後の強化試合(6日)で南アフリカに7―41と完敗。フランカーのリーチ・マイケル主将(30=東芝)が「(残りの期間で)何をやらないといけないかが分かった」と語ったように、本番に向けて課題が浮き彫りとなった。

 日本が3戦全勝したパシフィック・ネーションズカップ(PNC)に出場した中堅チームの区分「ティア2」と南ア、ニュージーランドなどの強豪チームで構成される「ティア1」との大きな差は否めない。その一方で1次リーグA組のティア1勢、アイルランドとスコットランドを倒さなければ目標のベスト8には届かない。

 そんな中、現場首脳陣は本大会に照準を合わせて強化したチーム力に自信をのぞかせる。トニー・ブラウン・アタックコーチ(44)は「ボールをキープする能力が高まり、ボールを持ったうえでプレーを遂行する力、その精度も上がった。速い展開でアタックをしていれば、ジャパンをなかなか止めることができないと思う」と話す。

 さらに「対戦相手の特性に応じていろんなプランを持って挑むということ。たとえば(PNCで戦った)フィジーにはボールを与えたくなかったのでポゼッション(支配率)を高くした。でも、相手によってはボールを渡して、そこからディフェンスで止めるという展開のプランもある。W杯ではこれらの異なるスタイルを両方遂行できる実行力が大事になる」。

 相手の特性に合わせた変幻自在の“カメレオン戦術”でジェイミージャパンは悲願をたぐり寄せる。