20日開幕のラグビーW杯に臨む日本代表は6日、大会前最後のテストマッチとなった南アフリカ戦(熊谷)に7—41で完敗した。

 因縁の一戦は開始早々、想定外のアクシデントに見舞われた。前半3分、WTB福岡堅樹(26=パナソニック)が右足を負傷し、モエキエラ(22=神戸製鋼)と交代。すると、直後の同7分にはWTBコルベにディフェンスの隙間を縫うようにトライを許して先制点を献上する。

 その後も日本は力で抑え込まれるシーンが目立ち、なかなか敵陣に入り込めない状態が続くなど思うようなプレーができない。ようやくパスがつながり好機を生み出しかけたが、逆に同22分、同31分にフリー状態だったWTBマピンピに走り込まれてトライを決められてしまう。結局、前半だけで22点差を付けられた。

 何とか得点が欲しい日本にまたも不運が起こったのは後半6分。ペナルティからの攻撃中にNO8マフィ(29=NTT)が右肩を押さえ、そのままベンチに退いた。

 それでも0—27で迎えた同20分、相手にプレッシャーをかけてモエキエラからパスを受けWTB松島幸太朗(26=サントリー)が快速を飛ばして初トライ。SO田村優(30=キヤノン)もしっかりとキックを決めた。

 しかし、2万5600人が詰めかけたスタジアムで4年前の歴史的勝利の“再現”とはならなかった。主将のFLリーチ・マイケル(30=東芝)はこの日の試合を前に「小さい動きから、最初どっちが動くか、立ち上がるスピード、ボディーランゲージ。そういう細かいところから上回らないといけない」とポイントを挙げていた。そんな細部の重要性を指摘しながらも、試合では精彩を欠くプレーが続き、世界でトップクラスの体格を誇る相手に対して課題が浮き彫りとなった。

 福岡、マフィの状態も気になるところだが、W杯開幕まで残された時間でわずか。敗因を本番に生かせるか。