【ラグビーW杯】南ア戦へリーチ主将が明かした”しくじり先生”的教訓

2019年09月05日 16時30分

リーチは目の前の試合だけに集中している

 皮算用は禁物だ。20日開幕のラグビーW杯に臨む日本代表は4日、大会前最後のテストマッチとなる南アフリカ戦(6日、熊谷)の登録メンバーを発表した。前回大会で金星を挙げた相手との再戦で、白熱した試合になるのは必至。そんな中、主将のFLリーチ・マイケル(30=東芝)は大会直前になっても一戦必勝の姿勢を崩さない。その裏には今回の対戦相手が“しくじり先生”となっていたという。一体どういうことか。

 W杯前最後の一戦は首を痛めたフッカー堀江翔太(33=パナソニック)に代わって坂手淳史(26=パナソニック)が起用されることとなり、左足首を負傷したFW第3列の姫野和樹(25=トヨタ)はメンバーから外れた。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(49)は「坂手にはチャンスを与えたいということ。彼は成熟してきたし、ポジション争いを激化させている」と期待を寄せた。

 パシフィック・ネーションズカップでは「ティア2」と呼ばれる中堅国を相手に実力を発揮してきたが、南アフリカが入るのはニュージーランドなどの強豪国で構成される「ティア1」。4年前に日本に金星を献上したが、優勝候補の一角として今回はベストメンバーを揃えているという。

 これについてリーチは「メンバーを見てかなりうれしかった。日本代表にリスペクトをしているし、この試合を大事にしているなと感じた」と敬意として受け止め「W杯以上に注目も浴びるだろうし、世界中もこの試合を楽しみにしている」と意気込む。

 だが、重要なのは南アフリカ戦よりもロシア戦から始まるW杯。本番が近づくにつれ、1次リーグの相手や決勝トーナメント進出に向けて無意識にイメージしてもおかしくない。3勝1敗と健闘した前回大会以上の結果を残したい中で、今大会は自国開催。必要以上の力も入りがちだ。だが、ジャパンを率いる主将は一戦必勝の姿勢を崩そうとしない。

 背景にあるのは、他でもない南アフリカの前回大会の行動だった。南アフリカの選手と話す機会があったリーチは「(チームの中で)日本戦の前からすでに(次戦の)サモア戦のことを話していたらしい。先のことをずっと考えていたようで、その結果(自分たちに)負けてしまった」と興味深いエピソードを明かした。

 置かれた立場や環境は違えど、強豪国の失敗談はこれ以上ない“反面教師”。「もちろん目標も立てているけど、先を見ずに一試合ずつ大事にやっていくことでこのチーム(日本)は強さが出ると思う」と一戦必勝の姿勢を貫くことの正しさを再確認した。

 リーチは南ア戦の結果がどちらに転んでも収穫は得られるとみている。「勝てば他のチームにもかなりプレッシャーをかけられるし、負けた場合は自分たちで何をやらないといけないかが見えてくる」。大黒柱がどっしりと構えているだけに、余計なプレッシャーは皆無なのかもしれない。