20日に開幕するラグビーW杯に臨む日本代表が厄介な“追っかけ問題”に直面している。W杯の壮行試合として行われる南アフリカ戦(6日、熊谷)に向けて都内で合宿中だが、選手宿舎の周辺でむやみにサインや写真撮影を求めるファンが目立っており、一部の選手たちはストレスを感じているという。

 日本代表は3日、約2時間の練習を行い、冒頭部分のみ報道陣に公開された。南アフリカ戦へ戦術面などを確認したとみられ、首を痛めたフッカー堀江翔太(33=パナソニック)や左足首を負傷したFW第3列目の姫野和樹(25=トヨタ自動車)は別メニュー調整だった。

 本番前最後の実戦が近づき、W杯ムードが高まるのもいいことばかりではない。好ましくない事態も起こっている。SH流大(26=サントリー)は、自身のツイッターを更新し「ホテルから出た所やホテルからカフェへの道路で待っててサインや写真を求められるのはちょっと。ずっと監視されてるようで。。応援していただいてるのはありがたいけどちょっとだけ配慮してもらえると助かります」(原文ママ)と理解を求めた。

 代表には姫野らイケメン選手やSH田中史朗(34=キヤノン)といった人気者も多く、流ら選手たちはファンサービスなどの重要性も理解している。この日、流は「人だかりになる選手もいてそういう選手は優しいので対応してくれるけど、そうじゃない選手がいるのもわかってほしい。僕も嫌という思いはないし、できるだけ対応したいけど、ちょっとだけ配慮してもらえると助かる」と言葉を選んで説明した。

 野球やサッカーといったメジャーな競技では同じようなケースが多発しているが、ラグビー日本代表も国内開催のビッグイベントが開幕すれば、さらなるファンの“熱”にさらされる可能性もある。選手全員ではないものの、度を超えたファンの行為がストレスやプレッシャーとなってベストパフォーマンスを発揮できないメンバーが出てしまえば、悲劇としか言いようがない。

 チーム側もフィフティーンに負担がかからないようにするため、ファン対応の在り方などを検討しているが、その方法も日本初のベスト8入りへ重要なポイントになりそうだ。