やはり頼れる男だ。ラグビー日本代表は1日、パシフィック・ネーションズカップ第2戦トンガ戦(3日、花園)の登録メンバー23人を発表。昨年11月のロシア戦以来となる先発に入った主将のFLリーチ・マイケル(30=東芝)は大阪・堺市内で行われた会見で「少し緊張しているけど楽しみにしている」と意気込んだ。

 試合に向けた調整を続ける一方、宿舎では“特別授業”を行っている。トンガ出身でかつて日本代表としてW杯に3度出場した経験を持つラトゥ・ウィリアム志南利氏(53)について自ら調べて選手に紹介。ラトゥ氏の母国のトンガ戦(1990年4月8日)を前に、当時の宿沢広朗監督が「いつも出していた闘争心を母国に出せるのか心配」と話していたのに対し、ラトゥ氏は「日本代表のことを思っているから問題ない」と返答。試合ではラトゥ氏の活躍で28―16で勝ったというエピソードだ。

 今回もトンガ出身メンバーが3人入っているため、リーチは「日本とトンガのつながりをみんなにプレゼンした」。さらに、他の海外出身選手にも日本の文化や歴史を伝え“潜在意識”の強化に着手。「歴史を(頭に)入れたら潜在意識につながると思って。フィジカルやメンタルはもちろん、考えていないところでも相手との差をつけたい」と意図を明かした。

 同じ外国出身のリーチだけに、言動には説得力がある。リーチの話を聞いたトンガ出身のナンバー8、アマナキ・レレイ・マフィ(29=NTTコム)は「その人たちが最初に日本に来てチャンスが生まれた。私は日本でプレーして強くなった。(母国との対戦は)エモーショナルな気持ちだが、勝ちにいきたい」と気合を見せた。偉大な主将のチームづくりは形になりつつある。