【ラグビー】帝京大・岩出監督が語る 教え子たちの今後

2019年08月01日 11時00分

岩出監督は帝京大OB選手に期待した

 ラグビー日本代表は9月20日開幕のW杯前哨戦、パシフィック・ネーションズカップ(PNC)第2戦トンガ戦(8月3日、花園)に臨む。現チームに8人もの選手を送り込んだ帝京大ラグビー部・岩出雅之監督(61)のインタビュー後編では、次世代リーダーとして期待されるSH流大(ながれゆたか=26・サントリー)ら、W杯代表入りへ奮闘する教え子たちについて熱弁を振るった。

 ――現在代表では帝京大出身者が最大勢力となった

 岩出監督 今はW杯に集中しているだろうけど、次の人生にもつながるような新しいダブルゴール(※1)を引いているのかなと思いながら見ている。それぞれがやり切ったと思える大会にしてほしい。

 ――流は次世代リーダー候補だ

 岩出 彼も(大学)4年間でいい成長を見せてくれた。(フランカーの)姫野(和樹=25、トヨタ自動車)と同じでキャプテンを任されて、その責任感が大人にした。彼が(大学で)キャプテンのときは(日本選手権で)社会人に「勝とう」という目標をみんなで共有できていた。高いレベルの年だったのも成長をより加速させたし、実際に勝った(※2)からね。

 ――流以外にも当時のメンバーが代表入り

 岩出 (フッカーの)坂手(淳史=26、パナソニック)は大学1年のときから日本代表を目標にしていた。(高校までの)ナンバー8ではサイズが小さいからフッカーがいいんじゃないかと。彼はリーダーシップがあったし、当時は粗削りだったタックルもパナソニックに入ってよくなった。そういえば彼がケガで出られないときに穴を埋めたのが2年後輩の堀越(康介=24、サントリー)。堀越は「坂手さんには負けません」と言ってライバル視。結果的に2人とも(代表に)入っているし、そういう切磋琢磨はすごく大事だよね。

 ――CTB中村亮土(28=サントリー)は

 岩出 大学の最初は補欠。2年生のときにケガ人が出て回ってきたチャンスを生かして、メンバーに入ってきた。それに大学3年で日本選手権で東芝と対戦したとき、いいランをし、たまたま見に来ていた(当時の日本代表監督)エディー(ジョーンズ)さんから呼ばれ、チーム(帝京大)の大黒柱になった。いい運も持っている。

 ――松田力也(25=パナソニック)は、田村優(30=キヤノン)とSOのポジションを争う

 岩出 もっと体がでかくなるか、もうちょっとDFを強化するとか、キックがバカみたいに飛ぶとか、もう一つ桁違いなところをみせればレギュラーじゃないかな。足りないところをどう埋めていくのか。スピードなのか、パワーなのか、キックのレベルなのか、田村選手とは期待されている部分が違うし、しっかり自分のことを分析するのが大事じゃないかな。

 ――フランカーのツイ・ヘンドリック(31=サントリー)らも指導

 岩出 ヘンドリックにしても(代表メンバーではないブロディ)マクカラン(25=神戸製鋼)にしても日本人以上に素晴らしい。接しているだけで心地よかった。そういうことは他の人にはわからないけど、ここ(帝京大)に留学の意味があるなと感じている。

 ――日本代表にも外国人選手は少なくない

 岩出 代表監督にとって勝つことも大事。日本人では埋めきれないポジション(ロックなどに外国人を)に置いているでしょ。外国人監督は日本人よりシビアだから、日本人でメンバーを構成するよりも勝つことに対する評価の方に重きを置いているんだと思う。 

 ※1 選手に在学中の目標と卒業後の長期的な目標を考えさせている。

 ※2 2015年2月の日本選手権1回戦でNECに31―25で勝利。学生が社会人に勝利するのは9年ぶりだった。

 ☆いわで・まさゆき 1958年2月21日生まれ。和歌山県出身。日体大でフランカーを務め、78年度の全国大学選手権を制覇。卒業後は指導者として実績を残し、高校代表監督も務めた。96年に帝京大ラグビー部の監督に就任し、2009年度から大学選手権9連覇を果たした。堀江や姫野ら多数の代表選手を輩出。