チケットはプラチナ化か。19日にこけら落としの記念試合が行われた岩手・釜石鵜住居復興スタジアムで実施される2019年ラグビーW杯2試合が、海外も含めて広い関心を呼んでいる。

 この日は地元の釜石シーウェイブス(SW)がヤマハ発動機を迎え、約6500人が見守った試合は29―24でヤマハが勝った。スタンドから何度も「釜石」コールが湧き起こり、終了間際にSWがトライすると大歓声。疲労のため出場しなかったヤマハのFB五郎丸歩は「前向きになれるスタジアム。W杯成功へ盛り上げたい」と話した。

 日本選手権でともに7連覇したSWの前身・新日鉄釜石と神戸製鋼のOB戦も行われ、往年の選手がプレーを披露。新日鉄釜石で活躍した64歳の松尾雄治氏は「一生の思い出ができた」と感慨深げだった。

 スタジアムは7月末に完成し、常設は6000席。W杯では仮設を含めて約1万6000人収容となり、1次リーグのフィジー対ウルグアイ、アフリカ予選代表対敗者復活戦勝者の計2試合が行われる。

 強豪国の試合ではないが、大会組織委員会の嶋津昭事務総長は「釜石で行われるW杯の試合は海外からのチケットの申し込みも多い」と話す。釜石関係者も以前、「チケットは東京、横浜、釜石の順で売れている」と語っていた。

 W杯チケットは先行販売の手続きが行われており、通常チケットの一般向け抽選販売が9月19日に始まる。新日鉄釜石は過去に多数の国際試合を通じてその名を広め、SWからはオーストラリア代表選手も生まれた。そんな釜石の復興を象徴するスタジアムでの試合は、収容人員が少ないこともあり、チケットは人気を呼びそうだ。