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【ジャンプ女子】高梨沙羅 左肩の負傷乗り越え価値ある銅メダル


山田いずみコーチ(左)の祝福を受け涙ぐむ高梨沙羅

【韓国・平昌発】涙のメダルだ。平昌五輪ノルディックスキー・ジャンプ女子個人ノーマルヒル決勝(HS109メートル、K点98メートル)で高梨沙羅(21=クラレ)が103・5メートルのジャンプを揃え、合計243・8点で銅メダルを獲得。五輪にピークを合わせ、最後の最後で最高のジャンプを披露した。今季のW杯では未勝利と不調で大目標の金メダルには届かなかったものの、一時は五輪が絶望的になるほどのアクシデントを乗り越えての価値ある表彰台。本紙が知る“壮絶秘話”を公開する。

 2本目は着地と同時にガッツポーズを決めた。「ここに来て一番いいジャンプが飛べた。最後は自分を信じて飛べた」。金メダルはマーレン・ルンビ(23=ノルウェー)に奪われ、うれしさと悔しさは「半々」。それでも4年間の成長の証しをつかんだ高梨は、涙を流してメダルの喜びに浸った。

 苦しみ、もがいたシーズンだった。外国勢の台頭に押され、W杯では未勝利で五輪を迎えた。歴代単独最多の通算54勝は持ち越されたままで、限界説も流れた。だが、高梨には明かしていないことがあった。

 アクシデントが襲ったのは昨年12月上旬、スロベニア・プラニツァでの合宿中だった。練習で飛んだ最初のジャンプで新雪に足を取られて転倒。ランディングバーンの側面に激突した。「すごい音がした。イッた(大ケガをした)と思った」(父の寛也さん)ほどの衝撃で、高梨は左肩を痛打した。

 練習は即時に中止となり、レントゲン検査を受けた。すると、亀裂骨折の疑いで全治6週間と診断される。これが本当なら五輪出場は絶望的。MRI検査では骨折まで至っていないことが確認されたものの、打ち身の炎症とされた。

 高梨は公表を控え、競技と並行して懸命のリハビリ生活に突入する。肩関節の可動域を失い、同時に首痛も発症。「全然手が上がらない状態」(寛也さん)と深刻だった。飛び出しの課題に向き合う中で、精神的にもつらい状況だった。トレーナーによる応急処置を受けながら欧州から日本の医師と連絡を取り合い、回復に努めた。

 W杯は参戦継続も、試合が満足にできる状態ではなかった。1月には大事な日本ラウンド4戦で屈辱の全敗。その時も肩の痛みは消えていなかった。1月下旬の日本出発まで都内の病院で高酸素カプセル治療を受けた。

 だが、高梨は諦めなかった。成績が出なくても一切言い訳はしなかった。4年間で鍛えてきたのは心の強さだった。五輪にピークを合わせることを誓い、尻上がりに調子を上向かせた。

 究極の目標がある。ソチ五輪で敗戦から学ぶことを教えられた高梨は、昨年の陸上世界選手権、男子100メートルでウサイン・ボルト氏(31=ジャマイカ)の敗戦をテレビで見た。絶対王者のアップセットは高梨の心に響くものがあり、感想は「やっぱり複雑」。だが、すぐにこう続けた。

「ここまで世界の人たちをいろんな感情にさせてくれて、感動だったり、驚きだったりを与えてくれる選手はいない。自分も人に影響を与えられるような選手になっていきたい」。たとえ敗れてもボルト氏のように世界を魅了する女になる――。選手としてのゴールを定めた瞬間だった。

 金メダルを奪えず、新たな課題も生まれた。「(2022年)北京五輪で今度こそ金メダルを取る」。高梨は歩みを止めることなく、4年後を目指していく。

☆たかなし・さら=1996年10月8日生まれ。北海道出身。グレースマウンテン・インターナショナル出、日体大4年。2012年3月に15歳でW杯初優勝。W杯個人総合優勝4度。世界選手権は個人で13年に銀、17年に銅、混合団体では13年に金、15、17年に銅メダルを獲得した。女子が初実施されたソチ五輪は4位。152センチ、44キロ。

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