JOCお粗末な「パワハラ調査」

2013年02月08日 16時00分

 全日本柔道連盟の暴力・パワハラ問題を受けて、日本オリンピック委員会(JOC)は7日に五輪参加競技15団体の強化責任者から実態把握のため、聞き取り調査を行った。「ノーコメント」としたボートと自転車以外の13団体は「暴力はない」としたが、JOC側の調査方法にも問題が多く、8日に行われる残りの16団体を含め、全体の足並みが揃っていないのが実情だ。

 JOCが聞き取りの対象とした期間は、夏季競技が2008年北京五輪から昨年のロンドン五輪までの間、冬季競技は2010年バンクーバー五輪以降。日本代表の強化合宿や遠征などで暴力やパワハラがなかったかを質問したが、調査時間は1団体あたり15分程度だった。関係者からは「対象期間は限定されているし、聞き取りの時間が短すぎるから本音は出てこない」と微妙な反応もあったという。

 日本体操協会では13年度から選手への聞き取り調査の実施や、指導者の罰則強化などの具体策を示したが、その一方で、日本スケート連盟の鈴木恵一副会長は「叱咤激励はあると思う。指導者がそこまで緊張してやっていたら、つぶれてしまう」とパワハラの線引きが難しいと指摘した団体もあった。

 全柔連の問題が明るみに出て、世間の目が厳しくなっているため、各団体とも“対岸の火事”では済まされなくなっているのは確か。だが、高校や大学など傘下団体で暴力事件が発覚し、代表レベルにまで波及することを恐れる関係者も少なくない。

 東京が招致している2020年五輪開催地決定が間近に迫っていることもあり、JOCとしてはクリーンさを打ち出したいところだが、小手先だけの調査では本当の実態が解明されるとは考えにくい。