柔道世界選手権(9月、アゼルバイジャン)男子60キロ級代表の高藤直寿(24=パーク24)が重量級対策に悶絶している。

 19日、都内で代表合宿が公開され、体重無差別で日本一を争う全日本選手権(29日、東京・日本武道館)に初出場する高藤は重量級の相手と乱取りを行った。軽量級ならではのスピードと多彩な技を武器に真っ向勝負を仕掛けたが、相手はびくともしない。逆にパワーの差を見せつけられ、畳に叩きつけられた。「もうダメ…。ボロボロ。どうしたらいいか? 気合しかない」。疲労困ぱいの高藤は汗だくになりながら声を振り絞った。

 全日本は子供のころからの憧れの舞台。最軽量でも熱意は誰にも負けない自信がある。ケガのリスクを説明した井上康生監督(39)に「思いが上回るところがあった」と言わしめ、出場権を行使した。勇気ある挑戦は他選手にも刺激を与え、世界選手権66キロ級代表の阿部一二三(20=日体大)は「大きい選手とやる機会ないので1回挑戦したい」と将来の参戦を見据え、高藤にエールを送っていた。