全日本柔道連盟は8日、全日本選抜体重別選手権(福岡国際センター)終了後に会見し、世界選手権(9月、アゼルバイジャン)の日本代表を発表した。男女の最重量級と2枠目2人は後日決まる。

 男子の井上康生監督(39)は、90キロ級決勝でリオ五輪金メダリストのベイカー茉秋(23=日本中央競馬会)を下し、代表入りした長沢憲大(24=パーク24)について「勝ちに徹した執念が見られる試合だった」と評価した。一方、ベイカーについては「試合勘のところが完全ではない。しかし、少しずつ調子も取り戻している。今大会の負けは、彼にとって大きなエネルギーに変えていける」とした。

 また、左ヒザ負傷のため大会を欠場した100キロ級代表のウルフ・アロン(22=了徳寺学園職)については、5月にも乱取りを再開する予定であると説明した。

 女子の増地克之監督(47)は52キロ級の代表に志々目愛(24=了徳寺学園職)を選んだ理由について、世界女王の実績に加え「外国人相手に対する強さはこの階級で一番と感じている」とした。決勝で志々目を下して初優勝した角田夏実(25=同)と、阿部詩(17=兵庫・夙川学院高)は2枠目の選手として代表入りの可能性があることを認め「しっかりと選考していきたい」と話した。

 角田には「今大会、準決勝で阿部、決勝で志々目に勝ち切ったところは今後につながる」、阿部には「講道館杯後3連勝と勢いがあった」と評価のポイントを挙げた。
 
◇柔道世界選手権代表
 
【男子】60キロ級=高藤直寿(パーク24)、66キロ級=阿部一二三(日体大)、73キロ級=橋本壮市(パーク24)、81キロ級=藤原崇太郎(日体大)、90キロ級=長澤憲大(パーク24)、100キロ級=ウルフ・アロン(了徳寺学園職)
 
【女子】48キロ級=渡名喜風南(パーク24)、52キロ級=志々目愛(了徳寺学園職)、57キロ級=芳田司(コマツ)、63キロ級=田代未来(コマツ)、70キロ級=大野陽子(コマツ)、78キロ級=浜田尚里(自衛隊体育学校)