東京五輪で金メダルが期待される柔道男子66キロ級の世界王者・阿部一二三(20=日体大)が31日、初めての欧州単身武者修行から羽田空港に帰国した。

 1月10日に日本を出発しオーストリア、ドイツでの約3週間の単身生活を「とても寂しかった。それでも孤独の中でも生活を一人でやりとげた」と話し、精神面での収穫を強調した。一方、出発前にはカヌーで飲み物への禁止薬物混入問題が発覚。全日本男子の井上康生監督(39)からも飲食物の管理を徹底することを求められた。

 阿部はその点について「自分はちゃんと(飲料などの管理を)守っていたから大丈夫」と本紙にきっぱり。ただ「海外勢はそうでもなかった」とのことで“世界の事情”を肌で感じることができたという。「東京五輪はすぐ来る。圧倒的にもっと進化しないといけない」。目標の大舞台まで残り2年半だけに、今回の単身修行は貴重な経験となったようだ。

 阿部は「世界選手権の連覇に向け、積み重ねていきたい」と誓い、今年初戦のグランドスラム・エカテリンブルク大会(3月17~18日、ロシア)に備える。