リオデジャネイロ五輪女子柔道70キロ級金メダリストで4日に現役引退を発表した田知本遥(27=ALSOK)が10日、都内で会見に臨んだ。

 20年の柔道人生を「きついことの方が多かった」と振り返る一方で、「登れるか分からない壁に立ち向かう自分が好きだった。全てを懸けることができた大切な思い出」と総括した。

 印象深い試合として、引退を覚悟して臨んだ2014年の講道館杯を挙げた。そのときの優勝を「あの日から、神様が自分にリオの一番高いところを目指せと言っているのかと思った」と振り返った。

 引退を決断する決め手になったのは、6月に富山で開催された全日本実業団体対抗大会。「次に湧いてくる気持ちがなかったから、そういうことなのかな」

 今後は「オリンピック教育に興味がある」と在学する筑波大大学院での学業にも励む一方で「柔道は生きがい。勝敗以外の、より広い視野で競技に打ち込むことを教えたい」と指導者にも意欲をのぞかせた。