【ハンガリー・ブダペスト31日(日本時間1日)発】日本のエース候補が大ピンチだ。柔道の世界選手権4日目、男子81キロ級で2連覇を狙ったリオ五輪銅メダルの永瀬貴規(23=旭化成)は試合中に右ヒザを痛めて4回戦で敗退した。

 相手のボボノフ(ウズベキスタン)に大内刈りを仕掛けた際に崩れて右ヒザをひねって負傷。これで動きが止まり、指導3つを取られての反則負けで連覇の夢は散った。

 しかも右ヒザは重傷の様子。試合後は右脚全体にテーピングを巻いて報道陣の前に現れた。1か月前の練習で負傷した内側靱帯を再び痛めたといい、永瀬は「相手が体をさばいたところにヒザが巻き込まれ、少し変な音がした。ここまで大きなヒザのケガは初めて」と自ら故障の深刻度を明かした。

 リオ五輪後、全日本男子の井上康生監督(39)から東京五輪のエース候補に指名されたが、まさかのアクシデント。井上監督も「世界のトップを狙える選手だったので、非常に残念」と肩を落とした。永瀬は「まずはケガと向き合い、時間をかけて焦らずに次の過程を踏みたい」と前を向いたが、初日からの3階級をすべて制して順風満帆だった日本男子に一転、暗雲が垂れ込めた。