【世界柔道】女子52キロ級で金の志々目 趣味はディズニー実写版観賞

2017年08月30日 16時30分

志々目(上)は気迫の表情で日本人対決を制した(ロイター)

【ハンガリー・ブダペスト29日(日本時間30日)発】柔道世界選手権2日目、女子52キロ級決勝は志々目愛(23=了徳寺学園職)が角田夏実(25=同)との同門日本人対決を制し、初出場初Vを果たした。準決勝でリオ五輪金メダルのマイリンダ・ケルメンディ(26=コソボ)を9分30秒の死闘の末に撃破。「クソ真面目」と言われるほどストイックな新星が、東京五輪の金メダル争いへ名乗りを上げた。

 ヤマ場は準決勝だった。相手は金メダリストのケルメンディ。互いに指導を2つずつをもらった持久戦を技ありで制した。「ケルメンディ選手を倒した日本人がいなくて、絶対に倒そうと思いました」。客席の全日本女子の増地克之監督(46)も思わずガッツポーズした勝利で、志々目はさらに勢いに乗った。

 初代表とはいえ、後のない戦いだった。52キロ級は国内争いが過熱。志々目と角田のほかにも阿部一二三(20=日体大)の妹・詩(17=夙川学院高)やリオ五輪銅メダルの中村美里(28=三井住友海上)が控える。所属の山田利彦監督(47)は「阿部や中村も絡んでくる。今回のチャンスをいかにものにするか」とハッパをかけていた。

 決勝の相手は互いに手の内を知り尽くす角田でやりにくさはあったが、最後は代名詞の内股が炸裂。志々目は「ここまできたら優勝しようと思っていた。指導を2つもらって、焦った部分はあったが、自分の柔道をしようと思った。気持ちで負けなかった」と喜びをかみ締めた。

 同じ内股を得意にしていた五輪2大会連続金メダルの谷本歩実氏(36)に憧れる。「映像を見たりします。一発で持っていけるところがすごい」。決勝の内股は鮮やかだったが、一撃必殺の谷本氏とはタイプが異なる。「私は追っていく派。一発でハネ上げるのもするんですけど、相手に耐えられる。そこから崩して持っていく」。この二段構えの内股は分かっていても止めにくい。

 武器は伸びてくる足で、山田監督は「足が組み際からしっかり出る。小外刈りをうまく使いながら崩して内股や大外刈りにつなげる。足が引っかかってくるのでいい形で入れる」と目を細める。

 性格は「柔道では負けず嫌い。投げられるのが嫌です」と公言する。山田監督は「クソ真面目。前、ちょっとケガしている時、筑波(大学)で打ち込み練習をやったんです。(志々目の拠点の)帝京(大学=東京・八王子)から筑波まで来るの大変なんですけど『愛ならいるな』と思ったら、いる。しっかり打ち込みして帰った。コレと言ったら、きっちりこなすいい子です」とほほ笑ましいエピソードを明かした。

 趣味はディズニーの実写版映画を見ることという“強き乙女”。角田とワンツーを決めたことで“阿部詩包囲網”も強化されたが、志々目が52キロ級の先頭を突っ走っていく。

 ☆ししめ・あい 1994年1月25日生まれ。宮崎県出身。宮崎日大高―帝京大出。全日本ジュニア体重別選手権は2011年から3連覇。今年は全日本選抜体重別選手権、アジア選手権を制覇。世界ランキング5位。得意は内股。157センチ。