【ハンガリー・ブダペスト29日(日本時間30日)発】柔道の世界選手権2日目、女子52キロ級で初出場の志々目愛(23=了徳寺学園職)が、同じく初出場の角田夏実(25=同)との日本人対決を制し、初優勝を飾った。

 志々目は準決勝でリオ五輪金メダリストで世界ランキング1位のケルメンディ(26=コソボ)を延長9分30秒の死闘の末に撃破。所属の先輩で手の内を知り尽くした角田との決勝では、角田得意の寝技のチャンスを与えない。さらには奥襟を持って十八番の内股で一本勝ち。自分の柔道に徹して世界の頂点に立った。

 志々目は「ケルメンディ選手を倒した日本人はいないので、絶対に倒してやろうと思っていた。今まで悔しい思いをしてきたので、世界一になれてうれしい」と歓喜の涙を流した。

 兄は2015年大会で男子60キロ級銅メダルの徹(25=了徳寺学園職)。その兄の影響で柔道を始めた志々目が、初出場の大舞台で兄の成績を超えてみせた。

 一方、ヒザの故障を抱えながら決勝に進んだ角田は悔し涙。それでも「しっかり寝技をやってきて良かった」と東京五輪へ向けて前を向いた。