【ハンガリー・ブダペスト28日(日本時間29日)発】柔道の世界選手権が開幕し、女子48キロ級は初出場の渡名喜風南(となき・ふうな=22、帝京大)が初優勝を飾った。

 決勝は、リオ五輪銅メダルの近藤亜美(22=三井住友海上)を準決勝で破ったムンフバット・ウランツェツェグ(モンゴル)と対戦。上背に勝るムンフバットのともえ投げを食らって危ない場面もあったが、開始3分35秒に左の小外刈りで技ありを奪う。そのまま逃げ切って世界の頂点をつかんだ。

 渡名喜は「自分は挑戦者なのでどんな相手でも気持ちだけは絶対負けないように、楽しんでいこうと。自分は足技が得意。この先も足技で倒していきたい」と笑顔で東京五輪を見据えた。

 この1年はコンスタントに表彰台に上がり、実力をつけてきた。身長148センチと最軽量級の中でも小柄だが、得意の足技と寝技で世界の強敵たちを次々に下して頂点に上り詰めた。

 また、近藤は3位決定戦を制し銅メダルを獲得した。だが、2014年大会以来となる世界女王返り咲きはならず「金メダルを狙っていたのにまた3位…。何回、3位決定戦をやればいいのか。(五輪、世界選手権合わせて)3回連続で銅メダルなので、そろそろ上にいきたい」と涙した。