柔道男子100キロ級の新鋭、飯田健太郎(18)が飛躍の転機を語った。

 8日、東京・国士舘高の卒業式が行われ、飯田は3年間の高校生活に別れを告げた。後輩たちとの卒業練習では「最後の最後まで絶対諦めないで頑張ってください」とゲキを飛ばし、進学先の国士舘大では大学日本一と東京五輪での金メダル獲得を誓った。

 2月のグランドスラム・パリ大会で優勝するなど大きな成長を遂げたが、高校時代の最も印象深い試合に挙げたのは昨年3月の全国高校選手権だった。団体戦決勝の日体荏原高戦は、大将の飯田が敗れて準優勝。「あの負けが今の自分の糧。悔しさとかいろいろ頑張る力になっている。あそこでの負けはすごい自分の中では大きかったです」と振り返った。その後、日体荏原には金鷲旗、全国高校総体で連続リベンジ。「負けるたびに強くなった」という飯田にとって、最大のターニングポイントとなった。

 4月の全日本選抜体重別選手権(1、2日、福岡国際センター)では、世界選手権(8~9月、ハンガリー)代表をかけて大学生としての第一歩を踏み出す。リオ五輪銅メダルの羽賀龍之介(25=旭化成)も出場するが、飯田の目に映るのは昨年、手痛い敗戦を食らったウルフ・アロン(21=東海大)の姿。「ウルフさんにリベンジして優勝して世界選手権に駆け上がっていきたい」と力強く宣言した。