柔道の「マスターズ」大会に出場したリオデジャネイロ五輪日本代表8選手を含む日本選手団が31日、メキシコから帰国した。

 女子は、優勝した48キロ級の近藤亜美(21=三井住友海上)、52キロ級の中村美里(27=三井住友海上)、63キロ級の田代未来(22=コマツ)の3人がリオ五輪に弾みをつけたのに対し、78キロ超級の山部佳苗(25=ミキハウス)は3位という課題の残る内容。五輪2連覇を狙う57キロ級の松本薫(28=ベネシード)がまさかの初戦敗退という不安を残す結果に終わった。

 女子の南條充寿監督(44)は「リオに向けてしっかり調整しないといけない」と総括。帰国時の機内で感銘を受けた映画「下町ロケット」を引き合いに、こう語った。

「改めて日本の技術力は外国人に負けないなと思いましたね。到着した時、女子を集めて『お前ら、下町ロケットを見たか。日本人の技術力は強みなんだ。これから研磨していこう』と伝えました」

 同映画は、技術力を高めようと中小企業で奮闘する人々を描くが、これが柔道でも共通するとひらめいたらしい。本番まで残り2か月。下町ロケットの精神で、女子はメダルラッシュとなるか。