心配ご無用。全日本柔道連盟の山下泰裕副会長(58)が柔道人口増加に自信を示した。

 全柔連会員登録者数は2002年度から13年連続で減少。特に中学生は1万7571人、小学生は1万2588人の大幅減と深刻な状態だ。28日に都内で行われた評議員会でも報告され、社会問題化する少子化の影響を踏まえても「減少傾向はより大きく進んでいる」(全柔連幹部)。12年度から始まった武道必修化の効果も表れていない。

 ただ、そんな状況でも山下副会長は「危機的という意識は全くない」とあくまでも前向きだ。慌てない理由は何か。「対策を打たなかったことが原因」と分析する同副会長は、昨年から普及のための少年柔道教室を全国でスタート。この効果がわかるのはこれからで「確実に上向きになっている」と手応えを示した。

 何より、リオ五輪への自信だ。ロンドン五輪では男子が金メダルゼロの歴史的敗北を喫した。だが、昨年世界選手権で男女6個の金を獲得した。普及には「五輪で活躍するのも必要なこと。ロンドンの惨敗も影響している」とプラス効果を期待。リオで一気に柔道界の巻き返しを図る計画だ。