柔道女子48キロ級でリオ五輪代表を狙う浅見八瑠奈(27=コマツ)が4年前の経験を武器にする。グランドスラム・パリ大会で5位だった浅見は12日、羽田空港に帰国。ライバルの近藤亜美(20=三井住友海上)が初戦敗退に終わったチャンスを生かせなかったが時折、笑みを浮かべるなど悲壮感を感じさせない。「落ち込んでいる時間はないですね。チャンスがあるなら後ろ向きに考えるより、前向きに考えたい。やりたいことがいっぱいあるので」と話した。

 険しい表情の近藤とはあまりに対照的。その理由は五輪さながらの緊張感を感じることができたからだ。谷本歩実コーチ(34)が「48キロ級はオリンピックと同じ雰囲気だった」と驚くほど、海外勢が本気だった。

「もう一回あの雰囲気で戦いたい、戦って勝ちたいという気持ちが強くなりました」(浅見)

 横一線となった代表争いにも自信を示す。近藤にないのが、ロンドン五輪の代表争いの経験。「それが強みなので。誰にもマネできない経験を持っているのでそこは生かしたい」。最終選考会の全日本選抜体重別選手権(4月、福岡)に向け、浅見は一点の曇りもない目で言い切った。