井上ジャパン”のリオ五輪金取り作戦が本格的にスタートした。

 リオ五輪まで残り半年となった5日、柔道男子100キロ級の羽賀龍之介(24=旭化成)ら3人が羽田空港からフランス・パリへと出発した。現地ではグランドスラム・パリ大会(6、7日)が行われるが、3人は国際合宿だけに参加する。

 羽賀は「練習終わってケータイにメモします」とライバル研究に意欲。81キロ級の永瀬貴規(22=筑波大)も「重い階級とやって試したい」と意気込んだが、90キロ級のベイカー茉秋(21=東海大)はやや不満そうな表情。「個人的には(試合に)出たかった。優勝したいと思っていた」と残念がった。

 昨年、国内外で8試合に出場したベイカーは自他ともに認める「試合で成長するタイプ」。その意向も反映されてきたが、これまで通り…というわけにはいかないのが五輪イヤーだ。12月のグランドスラム東京大会後、担当の廣川充志コーチ(38)は、「8試合、過密なスケジュールだった。本人も『疲れました』と言ってるくらい」と話し、五輪に向け、心身をコントロールしていくことを明かしていた。

 パリ大会には強豪が集まる分、研究の対象にもなる。3人ともリオ五輪代表を“ほぼ内定”させており、あわててポイントを稼ぐ必要もない。目標はあくまでもリオ五輪での金メダル取り。代表を束ねる井上康生監督(37)の緻密な戦略が垣間見える遠征となる。