柔道男子100キロ超級の七戸龍(27=九州電力)が「意識改革」でリオ代表を手繰り寄せる。

 5日、沖縄・豊見城市内で代表合宿が公開され、地元の七戸は精力的に汗を流した。「道ばたで通り過ぎた知らない人からも『頑張って』と手を振ってもらった」と知名度は抜群。井上康生監督(37)と沖縄県庁を表敬訪問し「慣れ親しんだ地でいいスタートが切れる」と決意を新たにした。

 世界選手権では2大会連続で銀メダル。最近では技術のみならず、精神面の成長も実感するようになったという。昨秋以降、野球、サッカー、ラグビーなど日の丸を背負って戦う代表戦が相次いだが「世界で戦うっていうのは自分もそうなので、ちょっと違う目線で見れている」。同じ世界の舞台で戦うからこそ、分かる感情が込み上げた。

 特に刺激を受けたのが野球の国際大会「プレミア12」を戦った侍ジャパンだ。韓国との準決勝で屈辱的な逆転負けを喫したが「自分と同年代の選手が多い。『自分も負けないように』という気持ちです」と強く意識する。

 勢いに乗る原沢久喜(23=日本中央競馬会)との代表争いは最終選考会のある4月までもつれることが予想され、気は抜けない。しかし、代表の自覚と責任感が芽生える七戸は「今年が勝負」とキッパリ。井上監督が掲げた「開花」のテーマを胸に、拳をグッと握り締めた。