新格闘技イベント「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND―PRIX」(29日、さいたまスーパーアリーナ)のヘビー級(100キロ以下)トーナメント1回戦で、北京五輪柔道金メダルの石井慧(29)がイリー・プロハースカ(23=チェコ)に屈辱の96秒、KO負けを喫した。

 IGFを主戦場としていた石井が総合格闘技デビュー戦の地、さいたまスーパーアリーナに戻ってきた。6年前のデビュー戦では柔道王・吉田秀彦にまさかの判定負け、4年前のエメリヤーエンコ・ヒョードル戦は3分持たずにKO負けを喫している。会場との相性はいいとは言えず、この日もその通りの展開となった。

 相手のプロハースカは193センチの長身を利した右ハイキックを連発。石井はこれで及び腰になり、前に出られない。鋭いヒザも見せたプロハースカは、石井のガードごと右ハイで吹っ飛ばした。石井は何とか立ち上がったが、右ストレートをまともに食らってダウン。そのまま右のヒザ爆弾で追撃され動けない。1R1分36秒、レフェリーが試合を止めた。

 昨年大みそかもIGF両国大会でミルコ・クロコップにTKO負けを喫しており、2年連続の完敗に石井はぼうぜん。旧PRIDEスタッフによる新イベントのレベルの高さを証明すると同時に、石井にはあまりにも痛い黒星となった。