東京五輪柔道女子48キロ級銀メダルの渡名喜風南(27=パーク24)が〝自己分析力〟で10月の世界選手権(タシケント)での王座奪回を目指す。

 2017年の同大会で初優勝を果たした一方、18、19年は銀メダル。昨年の東京五輪も決勝で敗れた。あと一歩で頂点を逃してきただけに、12日の取材では「今年は1回戦からちゃんと勝つことが目標。そこで優勝できるように頑張りたい」と力強く語った。

 渡名喜は過去の決勝の敗因を分析。「勝ちたい欲が強すぎて、相手と柔道をするのではなくて一人で柔道をしている。準決勝とかだと相手をしっかり見て、嫌なところを見られているが、決勝になると、自分がやりたいことだけをやってしまう」。勝利を意識するあまり、独りよがりになっている自分に気がついた。

 同じ過ちはもう繰り返さない。先月のグランドスラムハンガリー大会決勝では、21年世界選手権銅メダリストに崩れけさ固めで一本勝ち。柔道関係者が「自分を客観的に見ることができる選手」と話すように、課題をきっちり修正してきた。

 現在の状態は、東京五輪時と比べると40~50%程度。それでも「一つひとつ自分が苦手な部分を潰していきたい」と約2か月後の大一番へ闘志を燃やした。