柔道世界選手権(8月24日開幕、カザフスタン・アスタナ)48キロ級代表の浅見八瑠奈(27)が、父の三喜夫さんに涙の誓いを立てた。

 27日、所属するコマツの壮行会が都内で行われ「今の自分が世界で戦えるのか、自分自身で確かめる大会」とリオ五輪前哨戦へ意気込みを語ったが、サプライズで三喜夫さんからの手紙が読み上げられた。「人生の助言をさせていただく」とつづった三喜夫さんは世界王者の条件に言及。「世界チャンピオンには、技や体力が優れた選手ではなく、最も人間的に成長している者がなるべきであると思っているし、八瑠奈にはその権利があると確信している」とのメッセージを送り、浅見は思わず目頭を押さえた。

 決意したのは父であり、恩師である三喜夫さんをリオ五輪に連れていくことだ。「ちょっと泣きそうだった…。もしオリンピックの出場が決まったら、来てほしいな」

 愛媛・新田高の教頭兼柔道部顧問を務める父は生徒優先の思いから、しばらく浅見の試合を観戦していない。世界選手権で活躍すれば、リオ五輪につながる。浅見は表情を引き締めた。