柔道の全日本選抜体重別選手権(3日、福岡国際センター)で、東京五輪男子66キロ級金メダルの阿部一二三(24=パーク24)が、同級決勝で丸山城志郎(28=ミキハウス)とのライバル対決を延長の末に制して優勝した。

 東京五輪代表の座をかけた24分にわたる熱戦から約1年4か月。その一戦に勝利してつかんだ東京五輪で金メダルを獲得した阿部は「(ライバル対決に)やっぱり気持ちが入った。オリンピックチャンピオンとして絶対に負けられなかった。前に出て、何が何でも勝ち切るんだという気持ちで戦った」とプライドをにじませた。

 やはり金メダルも大きな力になっていた。「より自信がついたし、気持ちの面で余裕ができた。この試合に向けても試合をしててもそれを感じた」。緊張や気負いから力を発揮できない状態にならず、よりスムーズに自分の力を発揮できていた。もちろん課題も「足技をもっと伸ばしたい。まだできない部分もたくさんあるし、そういう部分もやってきたい」と自覚している。

 連覇を目指す2024年パリ五輪へ向けても一つの結果を残した。阿部は「東京五輪が終わって初戦でいいスタートが切れた。全勝でパリの代表を決めて、パリで2連覇できるように頑張っていきたい」と力強かった。