全柔連を悩ませるビゼール氏の“ねじれ現象”

2015年06月12日 10時00分

マリウス・ビゼール氏

 世界最大のスポーツ団体「スポーツアコード」のマリウス・ビゼール会長の辞任が全日本柔道連盟に飛び火した。

 

 4月にビゼール氏が国際オリンピック委員会(IOC)の五輪改革を批判したことが引き金となり、スポーツアコードから脱退する団体が続出。ビゼール氏は混乱の責任を取って、5月31日に辞任した。2020年東京五輪の準備状況を監督するIOC調整委員会からも退いたが、一方で国際柔道連盟(IJF)の会長職は続投。この“ねじれ現象”が、IJFへの理事復帰を狙う全柔連に悪影響を及ぼすという。

 

 13年に上村春樹氏(64=講道館館長)が退任後、IJFに日本の理事は不在。競技発祥国にもかかわらず、国際的発言力を失う異常事態となった。山下泰裕副会長(58)はビゼール氏と会談するなど局面打開を模索してきたが、その相手がIOCにとって“敵”と見なされてしまった。全柔連のある理事は「今回のことは全柔連にとっては好ましくない。例えば、山下さんが理事になったとしてもビゼール派と思われる。IOCはいい印象を持たない」との懸念を示した。

 

 IJFの理事は各大陸の柔道連盟会長や一部を除き、選挙ではなく会長指名で決まる。ビゼール氏が規約を改正して導入したIJF特有の“独裁システム”が日本の首を絞めているのだ。全柔連の別の幹部は「日本はアジア連盟の会長を目指すしかない。そうすれば少なくともビゼールから選ばれるということは避けられる」と“奇策”をぶち上げたが…。東京五輪を控え、IOCとも良好な関係を築きたい全柔連にとってはなんとも頭の痛い問題だ。