新設される五輪大臣に谷亮子氏が急浮上

2015年06月06日 10時00分

待望論が上がっている谷氏

 新設される五輪担当大臣に「生活の党と山本太郎となかまたち」所属の谷亮子参院議員(39)を熱望する声が永田町で上がっている。有力候補は自民党の遠藤利明衆院議員(65)だが、政府関係者は「どうしても地味なんですよ。話題性がほしいところです」と困り顔。2020年の東京五輪をめぐっては、国と東京都の軋轢(あつれき)が表面化。安保法制で揺らぐ国政の難局を、柔道五輪金メダリストの「ヤワラちゃん大臣誕生」というウルトラCで打開したいという。

 先月27日に同大臣を新設する特別措置法が成立していた。これにより下村博文文科相(61)の兼任ではなく、専任の大臣が近く誕生する。候補に名前が挙がっているのが元文部科学副大臣の遠藤氏だ。

 遠藤氏は当選7回目。長い大臣適齢期を過ごしている。東京五輪・パラリンピック組織委員会理事を務めるなど、スポーツの分野に強い。自民党関係者は「それだけではありません。谷垣禎一幹事長が結成した政策研究会である有隣会の一人で、これまでの総裁選において谷垣氏を支えてきました。そんな縁の下の力持ちっぷりが評価されてもいます。待ちに待ったというところでしょう」と評価する。

 ところが、渋い顔をするのは政府関係者だ。

「今、遠藤氏の身体検査が内閣でも進められているようです。クリーンなのですが、とにかく地味なんですよ。新大臣としてインパクトがない」と手厳しい。というのも、安倍政権を取り巻く状況がよろしくないからだ。

 東京五輪をめぐっては、舛添要一東京都知事(66)が文科省への不信感を強めている。周知の通り、都は新国立競技場の建設費として同省から要請された約500億円の負担に反発。都民を納得させるには新大臣の発信力も求められる。

 また、五輪とは関係ないが今国会では安保法制が審議入りしている。

「戦争法案」との批判もあるなか、安倍政権は今国会での成立をもくろむ。

「安保法制によって安倍政権の支持率は間違いなく下がります。こんな苦境を打開するには話題になる人事がいい。そこで浮上しているのが谷亮子氏です。メダリストだけに五輪のことはよく分かっている。また、夫はプロ野球選手の谷佳知さん(オリックス)です。野球は五輪への復帰を目指していますがその後押しにもなる」(前出の政府関係者)

 谷氏と五輪といえば、1992年バルセロナで銀、96年アトランタで銀、00年シドニーで金、04年アテネで金、08年北京で銅と5大会連続でメダルを獲得し、「ヤワラちゃん」の愛称で親しまれた柔道の国民的スター。10年に参院議員に転身し、国会でのキャリアも積んできただけに、森喜朗東京五輪・パラリンピック組織委員会会長(77)も文句ないはず。また、舛添氏とも知名度で渡り合える。

「ごもっとも」と言うのは簡単だが、問題は谷氏が野党であることだ。

 かつて、菅内閣時代に野党だった自民党の浜田和幸参院議員(62)が一本釣りされ、無所属で政府入りした事例があるにはあるが、浜田氏は相当叩かれた。谷氏にも批判が上がる可能性は否定できないが、そこは何が起きても不思議ではないのが永田町。

「無理は承知です。でも、自民党にも谷氏本人にもメリットはあるはず。聞くところによると、谷氏は2期目に意欲があるそうじゃないですか。それなら自民党と組んだ方がいい。自民党も谷氏の知名度は魅力でしょう。小沢一郎氏へのあてつけにもなる」(同)

 ウルトラCを期待するのは、安倍政権の劣勢の表れともいえそうだが、谷氏の周辺関係者は現段階では否定している。ヤワラちゃん大臣が実現すれば、話題性は十分なのだが…。