世界ランキング上位16人で争う柔道のワールドマスターズ大会(モロッコ)男子100キロ超級で3位に入った七戸龍(26=九州電力)が26日、羽田空港に帰国した。

 世界選手権(8月、カザフスタン・アスタナ)の前哨戦で、七戸は準決勝でロンドン五輪金メダルのテディ・リネール(26=フランス)との再戦に臨んだ。昨年の世界選手権決勝では大内刈りでぐらつかせるなど大善戦したが、今回は大外刈りで一本負けした。

 しかし、収穫は多かったという。「大内(刈り)は警戒されていましたね」と話したように、さすがのリネールも“七戸対策”を積んでいた。七戸が強敵の一人として王者に認められた証しだ。また「組み負ける場面もあったんですけど、自分の組み手をつかめた。自分から組みにいった時に向こうも引いてた部分があったし、途中までは自分のペースでできた」と練習の成果を出せた。

 戦前に井上康生監督(37)と立てた“秘策”は「出してないですね」と温存している。世界選手権で炸裂させるつもりだ。手の内をさらけ出すことなく、リネール以外の選手にはきっちり勝利し、包囲網を狭めることに成功した。

「負けたんですけど、本番は世界選手権。そこに向けて練習していきたい。優勝を目指していきます」。最強王者の背中がはっきりと見えている。