無差別級で行われる柔道の全日本女子選手権(19日、横浜文化体育館)で田知本愛(26=ALSOK)が初優勝した。決勝で最大のライバルの山部佳苗(24=ミキハウス)に判定勝ち。出場10回目での初Vに「今まで表彰式は悔しい思いで見ていた。(優勝の表彰台に)自分で立てることができてうれしかった」と喜びをかみしめた。


 大会後に開かれた強化委員会では田知本、山部ともに8月の世界選手権(カザフスタン)の78キロ超級の代表に選ばれた。ただ、山下泰裕強化委員長(57)の目には2人の戦いぶりが「不満」に映った様子。「決勝までの勝ち上がり方は田知本より山部のほうがよかった」としたうえで「どっちがどっちというより、準決勝までが良かっただけに山部のほうにより不満が残る」と苦言を呈した。


 準決勝まで山部がすべて一本勝ちだったのに対して、田知本は苦戦の連続。決勝では互いに決め手を欠き、両者に「消極的」の指導が3度ずつ与えられた。最後まで相手を圧倒できなかった田知本と、決勝で積極的な攻めが鳴りを潜めた山部…。世界選手権に向けて両代表ともに課題が生まれた格好だ。